ハゲたらもう元には戻らない?
ハゲは治らない、元には戻らないものなのだろうか。
これは"ハゲる"ということをどうみるかによって答えも違います。
多くの髪の毛が抜けてハゲになり、それはもう戻らないと考えているなら、
それは発毛のメカニズムを知らない人になります。
髪の毛はその一本一本が生えては抜け落ち、また再び生えてくる、
ということをくり返しているからです。
これを毛周期(へア・サイクル)という。
毛髪は、皮膚の表面から皮膚内部にめくれこんだように埋まっている
「毛包」と呼ばれる、管状になった器官の下端に近いふくらみ(毛球)で
つくられている。
つまり、ここが”毛髪の芽生えるべき場所”であり、細胞分裂によって毛を
つくり、送りだす工場の役割を果たしている。
この毛髪の製造工場の数は、お母さんのお腹の中にいる胎児のうちに
決まってしまう。
一般に人の頭髪本数はおよそ10万から15万本といわれるが、より正確に
いえば、それだけ毛包の数があるということになります。
その数は生まれつき決まっていて、その毛髪の一本一本が成長するにつれて
太くなり伸びてはいくが、毛包の数が増えるわけではない。
成長しても数だけは変わらないのだ。
つまり、「ハゲとは毛髪の数が減ること」とでも定義すると、最近では
10代後半から本数が減りはじめる若者も多いから、ほとんどの人が
若ハゲになってしまう。
ところで、髪の毛は毛包からみんないっせいに生えるというわけではない。
髪の毛が生え、いま現在成長している活動中のもの(成長期)は
全体の約90%、残りの10%の毛包はきたるべき発毛にそなえて
休んでいる(休止期)といわれている。
この人における活動毛包と休止毛包の存在は、イヌやネコの毛の成長具合
と比べてみるとおもしろい。
イヌやネコには「毛の生え替わり」の時期があって、初夏前には冬毛から
夏毛に、初冬前には逆に夏毛から冬毛に交代する。
それまで伸びていた毛が、ほぼいっせいに抜けて、新しい毛がこれもほぼ
いっせいに生えだす。
ある一時期にハゲ上がり、また再生するということになる。
つまり、隣り合う毛同土で同じような毛周期(成長→退行→休止→脱毛)が
とられている。
ところが人間の毛髪の場合には、そのような現象はない。
それぞれの毛髪の毛周期(ヘア・サイクル)が同調していないのだ。
一本一本の毛にはそれぞれ2から7年の寿命があり、いつ成長をはじめて
いつ抜けるのか、それぞれが勝手に決めているために、イヌやネコのように、
ある時期いっせいに生え替わるということはみられない。
つまり、いつもどこかの毛包からは毛が生えていて、どこかの毛包は
休んでいるというのがふつうの状態である。
一般に約90%の毛穴から発毛しているという。
10万個の毛包を持っている人であれば、9万本の毛が生えていることになる。